コーヒーの保存期間 年末に買ったコーヒーはいつまで美味しいか?


1975年1月1日コーヒー党の機関誌「珈琲共和国」より
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 お正月になりますと、コーヒー店もあちらこちらと休みになります。
 4、5年前頃までは、飲食店にとってお正月はかき入れ時で、休む店などは殆どありませんでしたが、最近では従業員対策などで休む店が多くなりました。
 ぽえむの加盟店でも大半の店が正月休みをとっています。
 さて、そうなりますと、コーヒー党の皆さんはいきおい自分でコーヒーを淹れて飲むということになります。そのため日頃コーヒーはコーヒー専門店で飲むとい決めていらっしゃる方も、慣れない手つきでコーヒーを淹れるという羽破目になるわけです。
 この場合、いちばん簡単な方法はインスタントコーヒーを使うことですが、それでは満足しない方はレギュラーコーヒーをペーパーフィルターで淹れるのがいちばん手軽で美味しいコーヒーが飲めるでしょう。
 ところで、この場合気になるのは、年末買ったコーヒーはいつまで味が変わらないかということです。
 コーヒーの焙り豆の保存期限は、豆のままと挽いて粉にしたものとでは大幅に違います。
 それは、コーヒー豆の味が変わってくるというのはコーヒーの成分が酸化するということが原因の大半を占めているからです。
 ですから、コーヒー豆の味の変化を防ぐためには、コーヒー豆と酸素(空気)をなるべく接触させないようにすればいいということになります。
 豆状の場合は組織のカラをかぶって通気性が悪くなっていますから、豆の保存期限も注意深く保管すれば一ヶ月ぐらいは大丈夫なのですが、粉状に挽いてしまうと組織が空気にさらされてしまうため、すぐ変質が始まります。
 その場合、水分があったり、熱が加わったりしますと成分の酸化が促進されますので、高温多湿の場所では保管はさけ、酸素供給を断つために密閉した容器へ入れるわけです。
 また、いくら高温の場所をさけても、コーヒーミルで挽く場合、熱が発生すると酸化を促進しますので、コーヒーミルの性能も挽いたコーヒーの保存期限を大きく左右します。
 ぽえむの加盟店が20数万円もするような外国製のコーヒーミルを使うのも、粉砕時の発熱を押さえてコーヒーの味の変化を防ぐために高性能のカットミルを使いたいがためで、高価なものを使って恰好をつけているからではありません。

 このような考えから、私共では一応コーヒー豆の店頭販売での保存期限を粉状で3日、豆状で10日としておりますが、それ以後になったら急に味が落ちるとか、3日間は全く味が変わらないから大丈夫というのではなく、刻一刻と味の変化が行われている過程で、その程度の期限内ならわれわれは味の保証をするということなのです。
 また、焙り豆の場合、焙煎度合によって変化の度合いがかなり違います。概して、焙りの強い豆は、成分が熱によって破壊される度合が多いので変化の度合いがゆるやかですし、浅煎の場合は反対にタンニン・脂肪郡などの含有が多いので、変化は早いということになります。
 そのほか缶入りコーヒーの場合は、通常、真空度合が60パーセント程度ですからかなり酸化しています。また、ガセットタイプの真空パックはかなり真空度が高く、90パーセント以上のものがありますが、いちばん酸化度合が低いといわれるものは窒素充てん式のものです。
 ただ、このパッケージタイプのものは、焙り豆の場合、焙煎時にガスを吸いこむためにパッケージ後に膨張するので、粉状にしてから30時間程度は空気にさらしますので、パックをする前に酸化してしまうというのが現状です。
 西ドイツあたりでは、コーヒー豆の販売量が多く、回転が良いので真空パックなどという特殊包装はしないそうです。
 まあ、日頃ぽえむのコーヒーで舌がゼイタクになっているコーヒー党の方達はぽえむのコーヒー以外は敬遠された方が無難ではないかと思います。