みんなの珈琲学1


1976年2月1日コーヒー党の機関誌「珈琲共和国」より

珈琲共和国1976年2月
珈琲共和国1976年2月

コーヒー代はまだまだ上がるか?
-不気味な海外相場の動き
前月号の年頭所感で、今年は一般の珈琲についていえば安いコーヒーが飲めそうだ、ということを書きました。
その筆の乾きもそこそこだというのに、ぽえむの店で飲ませるコーヒー代が値上がりしようというのですから、ぽえむファンの皆様もがっかりされたと思います。
そのがっかりしたところで、またも追いうちをかけるようですが、まあ2月は日数が少なく早く過ぎるようですので、悪いニュースをお届けしたいと思います。
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実は、世界のコーヒー市場がまたもや急上昇しつつあるのです。
前回のブラジル霜害の時は、事態が非常にドラマティックだったのでマスコミなども随分取り上げたのですが、今回の値上がりはそれをはるかに超える規模でありながら、たいしたニュースにはなっておりません。
それは、前回の霜害騒ぎが意外にあっさりと冷却したので、今回の相場上昇も多分にタカをくくっている様子が見えるからです。
しかし、霜害の時はどちらかというと、国際相場の上昇よりも国内の上げの方がひどかったのですが、今度の場合は、国内、国外で完全に逆ザヤになっているため、ちょっとばかり自体は深刻になりそうです。
業界では、今のところたいした動きは見せていませんが、生豆問屋筋の観測では、国内500社といわれる焙煎業者(加工卸業者)のうち、200社位がこの原料豆高騰で行き詰まるのではないかと行っています。
ひと頃の相場なら3ヶ月分くらいストックする位のコーヒー豆を買えたのですが、こう高くなると焙煎業者の資金力では1ヶ月半分位が限度とやらで、この高値相場が続くと、再びコーヒー豆の値上げという事態になりそうです。
そして、前回はコーヒーの端境期にあったため、年内分等を手当したむきもありましたが、今回はどこも急騰後だっただけに値下がりの期待が強く、また資金繰り上からもストックが少ないので、すぐコストに響きそうです。
どうやら今回の値上がりは生産国の政策によるものらしく、10月1日に発足する新国際コーヒー協定にからんで、生産国が来年度の輸出割当量を確保するために、9月末現在の在庫量を増やす政策に出ているためではないかと思います。
商社の情報によると、ブラジルは3年前の3.4倍、コロムビア2.5倍から3倍、増量剤に使われるアイボリーコーストのロブスター種などは5倍位という値上がりぶりで、ペルーなどオファー停止という強硬ぶりです。
毎度申し上げるように、喫茶店で飲ませるコーヒー代はサービス料金が大半ですから、コーヒー豆が上がったからといってすぐ値上げするというものではありませんが、私鉄運賃に続き郵便料金、そして秋には国鉄運賃と値上がりが続いていますので、このままでいくと、ぽえむもまた値上げしなければならなく
なるのではないか、といやな予感にかられるのです。
前回の値上がりの場合は、加盟店の利幅を少なくすることによって、店頭販売価格の値上がりを回避することが出来たのですが、今度上がれば店頭価格を値上げしなければならなくなります。
せっかくコーヒーが安くて美味しい飲み物であることが定着しはじめた今、再び値上げということは、我々業者としても大変につらいことになりそうです。
だが、コーヒーが完全な輸入食品である以上、我々はどうすることも出来ないのですから、その気持は無念の一語につきます。
ぽえむでは、今後原料豆の計画的発注など安定供給の体勢を確立していくつもりですが、その前途も決して楽観できないようです。