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1972年4月~1975年4月 (株)日本珈琲販売共同機構 創業者 故 山内豊之氏 コラム 全36号

コーヒー党宣言 美味しいコーヒーの提供こそぽえむの使命 今年も更に厳しく戦闘的に


1974年1月1日コーヒー党の機関誌「珈琲共和国」より
kyowakoku1974-1-150-240
あけましておめでとうございます。
昨年は毎度お引立てを賜りまして、誠にありがとうございました。
今年も旧年に増すお引立てとご愛顧を賜わりますようお願い申上げます。

 さて、昭和49年は我々コーヒー党には厳しい年になりそうです。
 新年早々にはコーヒー豆の卸価格が大幅に引き上げられるのは必至です。
 円安ドル高のため、為替差損だけで2割は生豆の輸入価格が上りましたし、コーヒーを焙くガスや灯油も上ったし、ガソリン代値上げで配送費も上昇ムードだし、上らないのは我々の所得位なもので、この分で行けばコーヒー豆の卸価格が40パーセント位上ってもやむを得ない状況となってきました。
 そうなってくると、当然私共コーヒー党が飲むコーヒーの値段にも響いてくるわけで、喫茶店のコーヒーの値段も、一杯120円から150円の時代から、180円ないし200円の時代になろうとしています。
 我々コーヒー店の側から見ると、いくらコーヒー代を高くしても儲からなければ意味がなく、安くても儲けが多い方がいいのですから、今の世の中のようにコーヒー代は高いはそして経費倒れだはではお互いにつまりません。
 また田中角栄氏の日本列島改造論がいけないとかいいのだとか、インフレだとかインフレじゃないとか議論にしたって、議論している間にどんどん我々の暮しが苦しくなってコーヒー一杯満足に飲めない破目になってしまいます。角栄氏のようなお金持ならば少々の物価上昇も平気だろうし、インフレで土地が上れば資産もお増えでしょうが、我々庶民は増えるのは家計の赤字ばかりです。

【ケチケチ運動にご協力を】
 そこでグチばかり言っていても仕方がないので、日珈販では今春よりケチケチ運動を始めることになりました。その目的は今資源不足のため猛烈に値上がりしている包装資材を節約して少しでも商品価格の引上げを避けようというもので、容器を持ってコーヒー豆を買いに来て下さったお客様には代金を包装材料分だけ安くする等、たとえ包装紙の小片1枚につき1円、2円でも値引きしたいと考えています。
 今後、世界のコーヒー豆の需給状勢をみても、その他の資源をみても、なかなか物資不足の現実は、予想以上に厳しそうです。
 どうかコーヒー党の皆様も、美味しいコーヒーを少しでも安く楽しむために、ケチケチ運動に御協力下さい。
 さて、新年早々、しみったれた話ばかりで誠に恐縮ですが、正直なところ、コーヒー党にとっては暗い春になりそうです。日珈販としてもこの暗い世の中を少しでも明るくするため、皆様に美味しいコーヒーを提供することを至上命令として、そのために努力していきたいと思います。
 昨年ブームを呼んだコーヒー専門店も、今年も一層のブームを呼ぶでしょう。
 そして、コーヒー専門店とは名ばかりの見せかけのコーヒー専門店も多くなるでしょう。そしてそれ等の店は、代金ばかり高くとって、インフレで悩むコーヒー党の財布を一層圧迫するに違いありません。
 日珈販は、店でコーヒーを飲んでくださるお客様のためだけでなく、このような時節ですと店で高井お金を払ってコーヒーを飲むのがモッタイナイという方達のためにも、良質なコーヒー豆を提供して、家庭で安く美味しいコーヒーを楽しむことができるように努めたいと思います。

【本年度の課題】
 日珈販はそのために本年度の課題として、我々の経営理念に賛同する勢力を結集して、美味しいコーヒー供給のためにより攻撃的、より戦闘的な販売戦略を遂行していくつもりです。
 買占めをして、コーヒー豆の値段を吊上げるような商社や生豆問屋、くず豆を混入し見せかけの値段を安くみせようとする焙煎業者、インテリアや演出で客の目を惹き、まずいコーヒーを図々しく提供して高い金をとっている珈琲専門店と称する喫茶店、これ等はすべてわれわれコーヒー党の敵と考えて、容赦なき攻撃を加えていくつもりです。
 一方、本当にコーヒー豆の安定供給を目指す商社や生豆問屋や、よい品質のコーヒー豆を使って加工に手間をかけ品質の良いコーヒー豆を造り上げようと努力する焙煎業者や、コーヒー専門店の本道である美味しいコーヒーと本当の専門的知識を広く大衆に拡めようとする店とは、例え技術的には対決し、局地戦では激烈な戦いを行なおうとも戦略的には手を結んで、我々コーヒー業界にたずさわる者の使命である「美味しいコーヒーの供給」をなし遂げるつもりです。

コーヒー党宣言 今やコーヒーもインフレの味・・・・・・・


1974年2月1日コーヒー党の機関誌「珈琲共和国」より
kyowakoku1974-2-150-240
日珈販発足以来初の値上げに想う
日珈販の主賓するぽえむチェーンでは2月1日より喫茶室で飲んでいただくコーヒーの標準価格を150円から180円に値上げさせていただきました。
 昭和46年12月1日に150円の標準価格を設定して以来2年2ヵ月日珈販にとっては発足以来初めての値上げです
 物価が狂ったように上昇し、世の中が殺伐としていく中で、せめてコーヒー代位値上げしないで済ませたいと思っていたのですが、このインフレではどうしようもありませんでした。

=コーヒーの原価の意味=

 我々コーヒー店を営むものが値上げをしようとすると、皆さん方は、コーヒー代なんて原価は1割そこそこしかかからないのだから儲けすぎているといわれます。
 確かにコーヒーの原材料費は1割は少しオーバーにしても2割まではかかりません。しかし、原材料費がコーヒーの原価なのでしょうか。
 コーヒー店を経営して一番かかるのは人件費です。今のように物価が高くなりますと、我々が最低で生活していける月収額は、皆さん方と同じようにたまにはコーヒーの一杯も飲めるような生活をしようとすれば東京では6万円はかかります。
 これを1日分に換算すると2300円位になり、従業員が1日にお相手をするお客様の数が普通で80人までといいますから、コーヒー一杯あたりの人件費は忙しい店で30円弱から、ややひまな店では50円ということになります。
 次にかかるのが権利金・保証金や建築費の償却や家賃などで、これが合わせて通常一杯当り人件費と同額位かかりますから、30円か50円かかるわけです。
 その他、カップやグラスの消耗代金から冷暖房の費用とか、壁面を飾る絵の代金とか貸植木代、レコード代などを割り振りますと、それ等のものでコーヒー代の85パーセントを占めてしまいます。
 お客様の側から見れば、コーヒー代の原価はコーヒーを作るコーヒーの粉やグラニュー糖やクリームの代金位にお考えになるでしょうが、我々店を経営している側からみれば、原材料費にその他の経費を加えたものがコーヒー代の原価になるわけです。

=避けることのできない値上げ=

 ですから、最近のように、コーヒー豆5割高、砂糖10割高、生クリームも10割高、カップやグラス類は15割高、店を借りる権利金や建築費用は天井知らずということになり、おまけに生活物資の値上がりということになれば従業員の給料も上げなければならず、結果としてそのツケは必然的にお客様のコーヒー代へまわっていくことになるのです。
 我々の店ではこの2年2か月の間、それ等コストの値上がりに伴う利益の減少は、お客様の数の増加による売り上げ増でカバーしてきました。
 しかし、われわれコーヒー店という商売は、座席数に限度のある商売です。むやみやたらとお客様を詰め込むわけにはいきません。また、コーヒーを飲み終わったお客様をすぐに追い立てるようなこともできませんから、客数増加による売り上げ増も自然と限度があります。
 となると、コーヒー店がその店の経営を維持するために必要な利益を確保するためには、値上げ以外に方法がなくなるわけなのです。
 私も且つては、一杯のコーヒーで何時間も喫茶店でねばっているような青年でしたから皆さんの気持ちはよくわかるのですが、今回の値上げはどうしても避けることができないものでした。

=インフレで固まったコーヒー=

 考えてみれば、我々はコーヒーというインフレでかためた飲み物を売っているようなものです。
 店はインフレを売り、客はインフレを飲み干す。考えるだけでコーヒーの苦さが増すような気がします。我々はコーヒーという飲み物の中にある種の夢をもって接してきました。そのコーヒーがインフレの味がするとは、全く情ない世の中になったものですね。

コーヒー党宣言 もう一度考えてみたい ぽえむの役割


1974年3月1日コーヒー党の機関誌「珈琲共和国」より
kyowakoku1974-3-150-240
 私が家内と2人で始めたパパ・ママストアだったぽえむも7年4ヵ月の間に21店舗のチェーンストアにまで発展しました。
 私がまだカウンターの中でコーヒーを淹れていた当時ですと、お客様のお一人お一人から直接にいろいろご意見をお聞かせ戴けたのですが、最近ではそのような機会も少なくなってしまいました。
 私共のように不特定多数のお客様を相手にしている場合では、このようにお客様から離れてしまうことは大変危険なことなので、なるべく機会を設けてお客様とお話することに心掛けてはいるのですが、その場合でも古くからの馴染みのお客様がお相手になってしまいます。

≫目安箱を開いてみると…≪
 そこで、最近私共のお店をお引立て下さるような方のご意見など是非うかがってみたいと思い、ぽえむの目安箱なる制度を設けましたところ、意外に多くのお便りを戴きました。
その内の一部を本誌に掲載させて戴きましたが、皆さん実に熱心で、非常にありがたく拝見致しました。
概しておほめの言葉が多かったのは“お礼にコーヒー券を差し上げます”ということだったせいのようですが、中には手厳しいご意見も沢山ありました。
その中で、ひどく気になったのは、美味しくなくても良いから安いコーヒーを飲ませてくれというご意見と、値上げをするなとかチェーン店の数を増やすなというご意見でした。
美味しくなくて良いから安いコーヒーを飲ませろというご意見は我々にとって誠にショッキングなもので美味しい品質の良いコーヒーの提供を至上命令とし営業してきた我々としては、全く異質な考え方に意表をつかれた思いがしました。
 値上げをするなというご意見は確かに皆さんの切実な要望でしょうが、前月号でも書いた通り、やむを得ません。
 最近の新聞に出ていましたが、“学生街の80円コーヒーにお店が店じまいした”という記事が載っていました。よく読んでみると80円コーヒーだったのは一階の4席だけで2階の30数席は150円だったようです。
 値上げするなら廃業した方がよいとの店主の弁ですが、私はそうは思いません。
 たとえ値上げをしても頑張るべきだと思います。その店は開店5年目だそうですが、その5年間、その店を引き立ててくれたお客様の心はどうでしょうか。お客様にとっては、自分の大事にしていた店が順調に育っていくのはうれしいことの筈です。それを儲かる時だけやって儲からなくなったら廃業ではムシの良すぎるような気がします。
 180円のコーヒー代をとってもいい加減なコーヒーしか飲まさず、サービスの悪い店が多い今日、お代は世間並でもコーヒーの味やサービスでお客様に奉仕することによって実質的に安いコーヒーを飲んで戴くことも大切だと思います。
 コーヒー代の値上げはやむを得ないでしょうがコーヒーの味やサービスを低下させないよう頑張って下さい、というお便りも戴きましたが、特に急所をつかれた感じでした。
 3番目のチェーン化の問題ですが、お客様の皆様はチェーン化することによって本部が儲けているようにお考えのようですが、これは違います。日珈販の本部は他のフランチャイズと違って、共同組合の本部のような組織になっていますから、儲けるどころか創立以来2年間大きな赤字です。
 日珈販の本部というのは駐留軍基地に何十年も勤めた結果、安い退職金で辞めさせられた人や、公害でいきの良い魚が売れなくなった魚屋さんや、大手のコーヒー焙煎卸業者に馬鹿にされて困っていた喫茶店などが、珈琲店という世界でなんとか生きぬいていけるように、協同組織を作って大商社などの大資本と対抗していこうという目的で作られたものです。

≫要求される変化≪
 ですから、本部自体は店数が増えたからといって儲かる訳ではないのです。
ただ、皆さんがご指摘の通り、昔のぽえむのムードは少しずつ失われていくかも知れませんが、そのかわり多くのぽえむが出来、また多くのお客様も得ました。
 そして、お客様の方も随分と違って来ました。それはとりも直さず、ぽえむというものの機能を、また使命や役割をといったものの変化を要求していることを表わしています。
 私は、今日、現在のぽえむの上にたって、ぽえむの役割というものをもう一度考えなおすべき時が来ているような気がするのです。

コーヒー党宣言 サービスにならないサービス


1974年4月1日コーヒー党の機関誌「珈琲共和国」より
kyowakoku1974-4-150-240

≪料理の美味さを壊すレストランのコーヒー≫

最近、あちらこちらの雑誌に寄稿したり、座談会に引っ張り出されたり、ゼミの講師をやらされたりするせいか、私もすっかりコーヒーのオーソリティーにされてしまった。
 自分では、単なるコーヒー好きの男が、自分達コーヒー党が好むコーヒーを自分達の手で作って供給しているのだくらいにしか思っていないのだが、他からみると大変な仕事にみえるらしい。
 コーヒーなんていうものは毎度言うように単なる農産物の加工品にすぎないのだから、品質の良い原料をその原料の持ち味を殺さないように加工しさえすれば良いのだから、全く難しいことは少しもない。
 ただ今のコーヒー業界のように、品質でコーヒー業界のように、品質でコーヒーを競わずに値段で競争しているのでは、いくら立派な能書きをとなえても無理な算段である。
 このところ、私もおつきあいがふえていろいろな方とお話をする機会が多いが、やはり職業柄飲食業の方が圧倒的に多い。
 それらの方とお話をして一番困るのは、“うちの店のコーヒーはどうですか”と聞かれることである。
 大方の店は、私にすればコーヒーとは認めることの出来ないような代物が多いのだが、まさかそうは言えないので私共の店とは考え方が違いますのでというようなことを言ってゴマカシテしまうことにしている。
 《骨折り損のくたびれ儲け》
 一流のレストランとか、コーヒーショップとかで食事をしていていつも思うのだが、どうして日本のレストランなどはデザートのコーヒーに無神経なのだろうか。
 せっかくいい気分になって、美味しい食事をした余韻を味わっていると、ヒドイ味のコーヒーが出てきてその味を全部ブチ壊してくれる。
 だから、私はデザートのコーヒーを飲まないことにしているのだが、知りあいのレストラン等へ行ったときなどは、いかにも自分の店のコーヒーしか飲まないようで嫌味なので我慢して飲ましてもらうが、これでそのお店が私に美味しい食事を提供してくださった努力は全部パァになってしまう。
 特に最近では、アメリカ式のコーヒーショップなどでコーヒーのお代わりサービスをやっているが、あのコーヒーなんかもたいてい自動抽出機で何杯か淹れておいてホットプレートに乗せっぱなしだから、タンニンが酸化してしまって飲めたものではない。
 私に言わせればサービスをしたつもりが、せっかくの料理の味を台なしにしているだけのことで、骨折り損のくたびれ儲け以外何ものでもない。
 なにも、我々ぽえむで提供しているように一杯ずつ注文の度にコーヒーを淹れろとは言わないし、事実そんな事は不可能だが、同じ自動抽出機を使って大量だてをしてホットプレートで保存しても、コーヒー豆の品質や加工方法を考えれば、もっと美味しいコーヒーが提供できるのである。
 私はその方法を知っているし、いつでもタダで教えてあげる。
《ゾッとするようなコーヒーでは》
 これから我が国の飲食産業も大きく伸びるだろうしそれに伴って日本人がレストランやコーヒーショップやカフェテラスといったところで食事をする機会も多くなるだろう。
そして食事にコーヒーを飲むチャンスもふえるに違いない。
そんなときにゾッとするようなコーヒーを提供して平気でいられるようであると、我々コーヒー党としてはいささかゾッとせざるを得ないようである。
最近では立派なレストランチェーンなどもでき、そこの経営者のお言葉なども実にご立派なことを述べられるのだが、せっかく作りあげた美味しい料理をヒドイコーヒーでブチ壊して平気でいるような神経では、何を食わされるか判らないというのが、私共庶民的コーヒー党の心情である。
たかがコーヒーといわずに、ひとつ本気でコーヒーに取り組んでもらいたい。
そうでないと、「九仭の功を一簣に虧く」ことになってしまう。

コーヒー党宣言  コーヒー豆にもJAS規格を


1974年5月1日コーヒー党の機関誌「珈琲共和国」より
kyowakoku1974-5-150-240

業界の改造には まず正当なルールの確立から

 従来喫茶店などで飲まれる特殊な飲み物であると考えられてきたコーヒーも、最近では一般の家庭にどんどん普及し、日本茶のようにとはいかないまでも、きわめてポピュラーな飲み物となってきました。
不明朗な☆プライスカード ところが、このポピュラーな飲み物となったコーヒーの販売方法について、私は非常に合点のいかない点があります。
それは、家庭用のコーヒーの最大の供給源であるデパートの売場などで、コーヒーの種類と値段を提示してあるプライスカードに、そのコーヒーの品質に関する表示が正当にされていないということです。
率直にいって、私自身もついこの間までそのことに気がつかなかったのです。
私の主宰しているぽえむチェーンでは今年の2月からメニューを改訂しましたが、それを行なうについてコーヒー以外のメニューとして生ジュースを加えようと考えました。
 そこでメニューに対応するマニュアルを作ることになって、いろいろ指定材料を調べたところが、ジュースの分野にはJAS規格により100パーセント天然果汁でなければジュースと呼べないという規定があり、グァバのように水を加えて浸出しなければならないようなものは、100パーセント果汁を原料としてもネクターと呼ばなければならないなどという厳しい規制のあることを知りました。
そこで、ぽえむのメニューでは天然果汁という表現をとった次第です。
それに比べて、コーヒー豆の小売に関してはJAS規格のような制約はありません。ですから、40パーセント以上ウガンダやアイボリーコーストなどの粗悪品を混入して、申し訳程度のコロンビアを混ぜてコロンビアミックスとして売っても何らの規制を受けないわけなのです。
私共のように、年中コーヒー豆を見て暮らしている者にとっては、デパートやスーパーのコーヒー豆売場でチョット見れば、プライスカードの表示と中身の違いなどはすぐにわかります。ブルーマウンテンと称してメキシコ産のアラビカ種を売ったり、サルバドルが安いとなるとコロンビアのケースにペルーが入っていたりすることは、この業界では珍しくありません。
私は、いつもこのようにコーヒー業界の内部のことをあからさまにするので、コーヒー業界の人たちからは憎まれて意地悪をされたり、悪いデマを飛ばされたり、コーヒー商工組合には加盟させてもらえそうになかったり、年中村八分にされています。
しかし、いくら村八分にしたところで、所詮はコーヒーを選ぶのは消費者ですから、消費者をあざむくような商売が永続きするわけがありません。
コーヒー豆の☆正しい表示を このことは、必ずしもコーヒー業界の人間が全部いいかげんだというのではなくて、親しくしているキャラバンコーヒーの人たちやドトールコーヒーの鳥羽社長、第一コーヒーの高橋専務、京都ワールドコーヒーの西村社長、それにユニカフェの大武重役など、みんなコーヒー業界をりっぱなものにするべく真剣に考えています。
このような流れも次第次第に大きくなってきているのですから、業者や通産省のお歴々も、少しは私のいうことに耳を傾けて、コーヒーにもJAS規格を適用する位のことはしてもよいと思います。
 お恥ずかしいことながら私共ぽえむで発売しておりますブレンドコーヒーも、配合されているコーヒー名が表示されておりません。これはたいへん不都合なことなので、早速加盟店にブレンドに配合されているコーヒー豆の品種を表示するように指示いたします。
もっとも配合比率については、コーヒー豆の荷口によって味に差があるため一定には表示できませんが、JAS規格に則って配合率の高いものから記入することにしたいと思います。
私は、もしこの表示が業界へも広がり、JAS規格の適用までいけば、コーヒー業界はより健全なものとなり、より健全なものとなり、よりいっそう発展すると思うのです。